漢字だらけの・・・

最近では滅多に小説を読まなくなり、もっぱら漫画ばかりを買っています。
一応、目安として両方とも100冊以上になると、売りに出すようにしています。CDも。
漫画に関してはONE PIECEがあるもんだから、あっというまに100冊なんて越えてしまうのですが、小説は近頃月2〜3冊ほどしか買わないので、いい感じな増え方です。
大体、給料日か、その翌日に本屋さんでめぼしいものを買うのですが、今回、久々に当たりだ!と思ったのを買ったので、意気揚々とご紹介。

家守綺譚/梨木香歩

幽界森娘異聞/笙野 頼子

ハゴロモ/よしもとばなな

「ハゴロモ」は今晩読むつもりですが、後の2冊は昨日、読みきってしまいました。
それほどのオモシロさ。
「家守綺譚」は亡き友人の家に住む事になったとある小説家の身に起こる出来事あれこれ。舞台が京都から滋賀県にかけての、琵琶湖疎水あたり、、、つまり南禅寺周辺から山科・大津界隈ということで、私にとっては大学時代に慣れ親しんだ場所です。そこの情景がたくさん出てくるのと、文章の読み心地の良さに惹かれました。かなりさっぱりとしています。内容も中々ユーモラスで、衣類を置き忘れた河童や、霊に取り付かれてやってくるタヌキや、鬼やらかわうその事情に詳しいお隣の奥さんとのやりとりなど、ほのぼのとしたハナシが満載です。中でも飼い犬の「ゴロー」のエピソードはステキ。生類きっての難しい問題である「河童」と「シラサギ」のケンカの仲裁を行ったとして、あちこち調停にひっぱりだこ。時には亡き友人も掛け軸からひょっこり現れるなど、エピソードは満載なんですが、あくまで主人公は小説家が住んでいる家と庭と自然。日々移り行く景色の美しさが淡々と書かれます。
「幽界森娘異聞」は、森鴎外の娘にして作家の森茉莉を題材に、彼女の作品の紹介・評論と著者・笙野 頼子のエッセイを織り交ぜた不可思議な物語。
個人的に、森茉莉はあの鼻につく文章がキライで読まないのですが、笙野流の解説(というかツッコミ)が入って、なかなか。ただし、どこからが森茉莉の引用でどこがツッコミになるのかが、なかなかややこしい。
売れない小説を書き、ボロボロのアパートに住み、父親の遺産を売り払って日々の糧としながらも、どんなに年をとっても、周りが迷惑なほどオトメであった森茉莉。高価なカシミアセーターは色あせ、毛玉だらけで穴が空いているというのに、自分が「綺麗だ」と思うものだけに囲まれて暮らす事を頑なに辞めなかった人。数々の名だたる小説家に「奇人」「天才」と好き勝手に揶揄されながら、それを気にしつつも書かずには居られなかった、超有名文豪の娘。

どちらの本も大正から昭和を生きた人々が対象になっているので、使われる漢字がなかなかにレトロです。
「洋杯」と書いて「コップ」
「西洋燈」と書いて「ランプ」
などなど。

そして、本を読みながら愕然としました。
私、自慢じゃないけど、割りに漢字は読める部類の人だと思っていたのに、「羅馬」と書かれていたのが読めない。
「嫩い」とか、ルビ振っててよ!!
ちなみに、前者は「ローマ」(イタリアの首都)で後者は「わかい」と読むそうです。
「嫩い」なんて、パソコンで読み方を調べようと思っても、なんて読むのかが解らないから、手書き入力でやっとこさ変換させたという。
やっぱ、漫画ばっかり読んでるのも良し悪しだと思った出来事でした。