理不尽

割と。
割とだけど、「世間」というか「社会」というか、多くの人とつながる仕事をしていると自分では思っています。
WEBというメディアを通じて、いろんなことを発信し続けることは、実験的でもあるがゆえに刺激的だし、去年やっていたことが今年は通用しないドッグイヤーで生きている実感を感じることも多々あります。
そして、それは、時としてもったいないくらいの幸せをもたらしてくれることもあります。だから、いくら大変でも続けて行こうと思う原動力になるわけです。「会社」はやめても「仕事(WEB)」はやめない。それくらいの気持ちはあるつもりで仕事をしているわけですが。

WEBの評価はWEB内で最も活発におこなわれます。いい事も悪い事も、それはあまりに開けっぴろげで、ストレートなものです。
それは本当にもの凄い現実を突きつけるものにもなります。
それこそ数億と言われるサイトのあちこちで書かれる言葉によって、勝手に救われたり、奈落の底に突き落とされたり、考えさせられたり、ヒントをもらったり、アイデアの源になったりするのです。
ただ、ちょっとだけ悲しくなる事があります。

一生懸命やっても、クライアントに自分の意見が通らなかったこと。
そのまま作って公開して、結局、いたるところでサイトの批判が書かれていること。
クライアントのWEBサイトだから、私のものではない。でも、間違いなく私が作った子だ。
「ほらみたことか!!」と言いたくても、私が悪いのだ。

クライアントは概ねサラリーマン。減点方式の評価基準に生きる人々。
上司の顔色をうかがい、なるべく波風立たないように穏便に済ませれたら、それが一番。
変わったことなどして、問題でも起これば一大事なのだ。
でも、私は「作ったサイトが評価基準」。
作ったサイトが良ければ会社を辞めても通用する。
なら、いいサイトを作るべきなのだ。自分のためにも。そして、使ってくれる人のためにも。

たまたま、今、世間の話題となっているサイトに携わっているわけですが、良い評判よりも悪いものばかりが入ってくるので、ちょっとしょげているのです。
「わかってるさ!私だってそんな事したくないさ!!!でも、それじゃ許してもらえなくって、無理やりそうさせられたんだ!!!!」
って、こんな場末のブログで叫んだところで、愚痴でしかないのですが、それでも言いたくなったのです。

WEBプロデューサーって言っても、WEBで好き勝手なんて、まったくできない。
WEBっていう限りなく制限のないメディアで、クライアント都合でどんどん制限を課せられて、いろいろ妥協して、すり減って、疲れて、それでもいいWEBサイトを作りたいってだけで歯をくいしばってるところってあるんだ。
まだまだWEBでやりたい事はいっぱいある。だから、頑張る気持は残っているし、使いやすくって面白くって、単純に、いいものを作りたいとも思っている。
ただ、そのハードルっていうのは、思っているほど簡単じゃないんだって事を、未だに思い知らされるのです。

あー。
世の中のクライアントが、もっと物わかりが良くて賢明であればいいのに。
超特大の理不尽さに行き場のない憤りがフツフツと湧き上がってくるのをどうしたものか。