ひととしてのうつわ

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今日、ニノ担がこれを語らずして、担当を名乗ってる意味がないと思うので、書きます。

「情熱大陸」、見ている途中で泣けてきて仕方ありませんでした。
なんか、言葉が重い。というか、痛い。
見ている途中でしんどくなってしまって、最後はぐったりしました。

アイドルって、そこまでストイックにならなければ出来ないものなのか?
人に馬鹿にされるのを受け入れ、与えられた要求がどんなものであれ、時間がなくとも、こなせるだけの技能を持ち、そのためだけにどこまでも自分を磨き上げていく。

ニノの口から多くは語られないまでも、これまでニノの「アイドル論」的なものを感じることは色々ありましたが、今日の番組では「二宮和也のアイドルとしての心得」を総決算的に見せ付けられた感じがしました。

「お陰口」なんて言えるようになるには、相当ツライ思いをして、それを乗り越えて初めて、出てくる言葉だと思います。
それだけじゃなく、今日のニノの言葉は全て「経験論」であって「理想論」じゃないのです。
あれだけの言葉を言えるようになるために、乗り越えた苦難とかつらさって並大抵じゃないんだろうというのが想像できるし、今現在だって、ニノはそういうものと闘っているというのも容易に想像がつくわけです。
アンチを無視したらラクになるのに、そうしない。そこすら視野に入れて、アンチがいてこその自分の存在というのを考えている。
黄色い涙のインタビューでも「俺が万人に受け入れられるとは思っていない。」なんて言ってたのは、そういうことなんだけど、あえてツライ方向に自分の道を求めるなんて、もはや苦行です。

そのほかに、「目線を絶えず動かして周囲の動向をうかがってる」話も「ゲームをするのは個人の意見を持たないようにするため」という話も、今日のエピソードの一つ一つに、ニノの考え方みたいなのが露になっていたのですが、そのどれもが「アイドルでいるため」に基づいたものでした。
アイドルであるために、どこまでも自分に制御を掛けて行く。
俳優としての名誉も省みず、睡眠時間も削り、あれだけ好きでやってるゲームだって、アイドルとしてのニノを保つための一種のアイテムにしか過ぎず、じゃあ、ニノがニノであるのは、いつのどこのなになんだ?となると、きっと、そうやって生きていくことこそが、ニノ自身なんでしょうね。「アイドル」として生き抜くことに本気なんですよ。

私達は二宮和也によって完璧に作り出され、制御された、「アイドル・二宮和也」を与えられているのです。
弱みを垂れ流して庇護を受けることは簡単。
でも、絶対にそうはしない。
ファンの前ではプロとしてアイドルを貫き通す、その強さが、見ていて痛くて仕方なかったのです。

もしかすると、私はニノの裏側という題材に、嵐5人でいるときに、キャッキャとくつろぐニノを見たかったのかもしれません。
でも、今日のは、もっとニノの深いところに焦点を当てすぎてしまったみたい。
もしかすると、ニノが最も知られたくない、見せたくない場所。そこを垣間見せる事を許してしまったのかもしれません。
飄々と楽しそうにアイドルをしている姿を出していたい彼が、ニノ個人の闇というか、ニノ自身の裏側を出してしまったわけです。
それは、普通の人にとっては「あら、意外なのね〜〜」「この子、天才なのね〜〜」で済むことかもしれませんが、ニノを見続ける人間にとっては、あまりにもツライ部分なのですよ。

だって、明らかにニノって戦い下手。
ツライことが表情に出なくとも体型や文章にどうしても表れるのです。
それが、これまでは推測にすぎなかったのに、その裏づけが取れてしまったっていうのが、今日の番組な訳ですから。
大変な仕事をやっているときは、身を削ってやっているからこそ、あれだけ痩せ細るし、顔が変わってしまう・・・。

ニノがそこまで追い込まれるほど、ツライ思いをすることは、見ているこっちとしては、もう勘弁です。
「アイドル」でいたい人だから、「アイドル」でいさせてあげてください。
なんというか、、、ほどほどのものがいいのです。
変に「天才俳優」として、変に期待されて、役作りを求められて、時間がかかって、そして俳優としての格だけが上がる演技のお仕事ばかりが舞い込みませんように・・・。

私がニノに魅力を感じるのは、自分が出来ないことを軽々とやってのける才能と、その才能を発揮するための自制心ってところ。
ここまで自分の事を律することができ、さらに、求められた事をこなすだけの力を持つという、人間としての懐の大きさとか、器の大きさが、全然敵わないのです。
23歳のニノがやっている事を、10年長く生きている私は、まったく、できない。
だから、怖いし、尊敬するし、好きでいられるんだと思う。

ただ、私は自分の才能を発揮するために嵐を捨てられるのか?というと、無理です。
強くないから、目標も作るし緊張もしょっちゅうするし、自分にも甘いです。
まだまだ、弱いですね、人として。