テンセイクンプー

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まず、今回の舞台は、このニッキのエントリーを持って、私のレポとさせていただきます。
別ページとして作るほど、「自分の中で納得したもんじゃなかった」ということです。
いろんなモノの見方があって、いろんな考え方があって、いろんな愛で方があると思います。
私は私の中に生まれた感想をここに書くということで、ご了承ください。

本当は2公演見る予定にしていましたが、転職活動が立て込んだこともあり、急遽今日のソワレのみの観劇としました。

舞台に立つ智はメタメタかっこいい。
そして、とてもせつない。

プーシリーズは、バクマツバンプーと今回のテンセイクンプーを見たわけですが、正直、「魅せ方のバリエーション違い」という感じです。
概ね、前回見たときのイメージと大きく変わっていませんでした。
動きはキレイだし、舞台の展開はスピーディ。
見ていて飽きないけれど、舞台で演じられている感情の昂ぶりほど、見ている私の感情は昂ぶらない。

きださんの舞台の特徴でもあるのかもしれませんが、舞台の上での流れがスピーディーかつ、動きが多くなればなるほど、肝心のお芝居が消化できていない感じがするのです。
アレだけの動きを畳み掛けるように見せてくれるので、確かに、アクションは見ごたえがあるんです。
ですが、話の内容は、イマイチ、しっくりこないんです。
真田十勇士や復讐や転世といったエピソードに、恋愛、友情、家族、平和といったいろんなエッセンスが散りばめられ、殺陣、カンフー、ダンス、歌、大騒ぎといったアクションも詰め込まれりゃ、そりゃ、それを「こなす」のに精一杯になるわな。
さらに、嵐ファンへのサービスもあるしね・・・。一番、イラナイ、これ。

そして、「こなす」と感じる一番大きな要因が、喜怒哀楽の波の大きさなんです。
舞台で繰り広げられる感情の動きが大きすぎて、こっちは置いてきぼりを食らったようになったのです。
その場面場面ごとでの、その登場人物の感情の流れはわかるのですが、どれもこれもが大味すぎて唐突。
演じる側はその感情にいたる背景や設定を熟知した上で演じているでしょうが、見ている側としては、そういう前提条件がありません。
なのに、短い時間で話がピークに達し、演じ手の感情の動きを見てしまうため、見ているこっちは気持ちが入り込めないんです。
登場人物の感情の流れを追いかけることはできても、そこに共感したり、感情移入したり、芝居の世界に浸かるまでには至らないのです。
俳優さんたちが、演じる上で感情を作ることはできても、その感情を見るものにしっかりと伝えられるほどの表現できていない。
だから、大味だという印象を受けてしまいました。

そして、キャプテン智について。
踊ってる智、泣いてる智、汗をいっぱい飛び散らせながら舞ってる智は、神々しいくらいに輝いてた。
でも、それは大野智を見てしまっているからで、舞台の上で生きる「風峰薫」としてでは、残念ながらないんです。
だって、薫は常に力いっぱいで、必死で、テンションが高くて、、、何もかもがそんな感じで。
一本調子過ぎて、そこに自分の感情を投影できなかったんです。

智自身は、もっときめ細かに感情の動きを表現できる芝居をする人なのになぁ。
勝手にノスタルジーの最後、ナツオくんに電話するところで、思わずポロっと泣いてしまうところとか、ツッキーに「オレ?オレ、、、あいつらの友達」と言って、ホワっと笑うとことか、すごく好きなのに。
思わず、泣きそうになるくらいに、ぐっと引き込まれたのに。今回の芝居では、そういうのが、無いんだよなぁ。

かっこよくてステキな智を見れましたが、感動する舞台を見た感じはしていません。
「ここステキだなー」と思う全てが、智の持っている力であるって事は、どうなんだよ?と。
だから、それがせつないのです。

是非、次は全く違う智の一面を引き出してくれるような舞台に出ることを祈っています。
本当に、本当に、祈ってます。
そういうのが見れるのであれば、舞台じゃなくても、映画でもドラマでもいい。
予想だにできなかった演技で、思わず引き込まれて泣いてしまう。
そういう作品に出会えるよう、精一杯、祈ってます。

これで、本年の全てのイベントが終了です!
最後、智に「よいお年を!来年もヨロシクね!!!」と、つぶやいてきました。
今年もいい1年でした。
嵐の5人、本当に、ありがとう。
来年もよろしくお願いします!